聖書箇所　出エジプト記14:27,28

 

14:27 モーセが手を海の上に差し伸べたとき、夜明け前に、海がもとの状態に戻った。エジプト人は水が迫って来るので逃げたが、主はエジプト人を海の真中に投げ込まれた。

14:28 水はもとに戻り、あとを追って海にはいったパロの全軍勢の戦車と騎兵をおおった。残された者はひとりもいなかった。

 

「終末はノアの洪水の再現の時」というテーマで、みことばに沿って見ていきたいと思います。

 

こちらの箇所は、イスラエル人がエジプトを出た後に、エジプト人が彼らを追跡した時に起きた場面です。この時、イスラエル人はエジプト人から逃れるために、海の真ん中のかわいた地を進んで行きました。その時に水は彼らのために右と左で壁となりました。けれどもエジプト人がイスラエル人を追いかけて来たときに、２７節にありますように、モーセが手を海の上に差し伸べたことによって、なんと海は元の状態に戻ってしまったのです。そして、主によってエジプト人は海の真中に投げ込まれてしまいました。今回は、「海の真ん中に投げ込まれた」ということばに着目しながら、神様がこのように語っているかな？と思うことについて話をさせていただきたいと思います。

 

よく話をしていますように、レムナントキリスト教会では、聖書を文字通りに読むことにプラスして、たとえの意味合いも見ながら理解をしています。そしてこの箇所においても、若干たとえが使われているかな？と思いますので、少し説明したいと思います。今回の箇所では「水」とか「海」ということばが出てきます。普通、「水」と聞けば、ミネラルウォーターとか水道水とかを思い浮かべると思います。また、「海」と聞けば、多くの人が真っ先に海水浴をイメージするのではないでしょうか？それらはたしかにこの世に存在します。けれども、聖書ではそれだけではなく、「水」や「海」について、霊的な事柄を意味するたとえとして使われています。１２章でも、霊的な事柄について少し触れさせていただきました。その時に、「霊」は聖書においては二種類ある、ということを述べさせいただきました。「霊」は聖書の視点において、神の霊と呼ばれる聖霊と、サタンの霊と呼ばれる悪霊に区分されます。そして今回の箇所の「海」とか「水」は、どちらの霊を言われているのか？と言うと、「悪い霊」のことです。その根拠となるのは、「主はエジプト人を海の真中に投げ込まれた」のことばです。このことも繰り返し語らせていただいていることですが、「エジプト人」ということばにひとつの意味合いがあります。前にも説明させていただきましたが、「エジプト」は、「この世」のことを意味します。また、「エジプト人」も、イスラエル人と同じく神様を信じるクリスチャンであります。けれども、クリスチャンにも区分があり、イスラエル人は御心のクリスチャンを指し、一方エジプト人とは、同じクリスチャンであっても、イスラエル人とは対称的なタイプのクリスチャンのことを言われています。先ほど、「エジプト」は、「この世」のことを指すという風に説明させていただきましたが、エジプト人とは、この世についたクリスチャンのことを言われています。そして、エジプト人、すなわちこの世についたクリスチャンがどうなったのか？と言うと、「海の真中」に投げ込まれたのです。「海」は、先ほど、「悪霊」を指すという風に述べましたように、エジプト人、つまりこの世的な歩みをしているクリスチャンは悪い霊にやられてしまったのです。

 

１２章で述べたことと若干オーバーラップするのですが、私たちがもし、この世についた歩みをしたクリスチャンだという風に神様から見なされてしまう場合に、そして心を頑なにしていつまでも悔い改めないというときに、「海」の中、すなわち悪い霊の支配の中に入れられてしまうのです。しかも２８節に「残された者はひとりもいなかった」とありますように、エジプト人のような歩み、つまりこの世的な歩みをしているクリスチャンは、皆、悪い霊の支配下に置かれてしまうのです。これって恐ろしいことですよね？もちろん悔い改めれば別ですが、しかしそうではない場合に、ずっとそのままの状態にされたままの可能性がありますので、もし、世俗的な歩みにお心当たりがありましたら、直ちに悔い改めていきたいと思います。そうするなら再び、聖霊様のご支配の中に戻していただけると思います。

 

そしてもうひとつのことを今回は述べさせていただきたいと思います。テーマにも掲げましたが、終末の日というのは、ノアの時のことが再現する時と思われます。また、今回の箇所とそのことと何の関係があるのか？と疑問に思われるかも知れません。絶対にそうです！なんてことは申し上げませんが、２７節の「夜明け前」ということばが、もしかするとそういうことを言われているのでは？と思いました。ちなみに「夜」は、光がありませんよね？また、「夜」ということになぞらえて、「暗やみ」という表現を聖書ではしています。たとえば以下、みことばがそうです。

 

参照　ルカの福音書22:53

22:53 あなたがたは、わたしが毎日宮でいっしょにいる間は、わたしに手出しもしなかった。しかし、今はあなたがたの時です。暗やみの力です。」

 

この箇所は、イエス様が祭司長や律法学者に捕らえられる場面です。その後、イエス様は議会に引き渡されて、十字架に付けられて殺されてしまいました。そしてそれはどんな時代だったのか？と言うと、旧約の終末の時でした。そして終末はどんな時なのか？ということを「暗やみの力」ということばが説明しています。ですから、新約の終末の時というのも、「暗やみの力」が優勢になる時だという風に考えられます。そうです。「暗やみ」=「夜明け前」だと言えるのでは？と思います。そして「夜明け前」とは、私が思うのは、再臨の直前、すなわち終末のことを意味しているのでは？と思います。また、その時に何が起きるのか？と言うと、出エジプト記に書かれている、「主はエジプト人を海の真中に投げ込まれた。」のことばが成就するのでは？と思われるのです。その根拠となるのでは？と思われるみことばがありますので、よろしければ見てみましょう。

 

参照　マタイの福音書24:37‐39

24:37 人の子が来るのは、ちょうど、ノアの日のようだからです。

24:38 洪水前の日々は、ノアが箱舟にはいるその日まで、人々は、飲んだり、食べたり、めとったり、とついだりしていました。

24:39 そして、洪水が来てすべての物をさらってしまうまで、彼らはわからなかったのです。人の子が来るのも、そのとおりです。

 

上記の箇所は、弟子たちが世の終わりに起きる事柄について質問していた延長線上で言われたことばです。「人の子」とはイエス様のことで、「人の子が来る」とは再臨のことを言われています。まさに新約の終わりのことです。そしてその日は、「ノアの日のようだ」と言われています。つまり、ノアの洪水が再現する、ということを言われています。このことも１２章で少しお話させていただいたと思うのですが、終末の洪水というのは、水（H2O）によるものではなく、「霊（悪霊）の洪水」のことを言われています。そしてこのことは、冒頭の「主はエジプト人を海の真中に投げ込まれた」のことばにそのまま通じるのではないか？と思われるのです。なぜなら、「海」と「洪水」は、「悪霊」と関連するからです。そして、誰が洪水にさらわれたのか？と言うと、「飲んだり」「食べたり」ということばがそのヒントとなるのですが、これらはキリスト教用語ですので・・・「飲む」は聖餐のぶどう酒を飲むこと、「食べる」はみことばのパンを食べることに通じますので、クリスチャンのことを言われています。そうです。毎週ごとに聖餐のぶどう酒を飲む、すなわち聖霊の働きに触れ、なおかつみことばのパンを食べる、すなわちみことばのメッセージを聞いていたクリスチャンが、あろうことか「悪霊」による洪水に流されてしまう、ということを言われているのです。

 

そしてどんなタイプのクリスチャンが流されてしまうのか？と言うと、それが出エジプト記に書かれていますように、「エジプト人」と呼ばれるタイプのクリスチャン、すなわちこの世的な歩みをしているクリスチャンが、「悪霊」の洪水の中に入れられてしまうのです。しかも、「洪水が来てすべての物をさらってしまうまで、彼らはわからなかったのです。」とありますように、そのことに最後までどうも気付かないようです。流されたら、そのまま・・・ということを言われているのでしょうか？ゆえにこのことは粛々と考えなければ・・・と思います。なぜかと言うと、聖霊もそうですが、悪霊のことも、つまり霊的なことはいずれも目には見えないからです。もし、洪水が来たとしても、つまり悪霊の支配下に置かれてしまっても、全く気付かない可能性がある、ということです。ですから、私たちはそういうことにならないように、また、万が一にも「もしかしたら悪霊の洪水に流されているかも知れない」なんて思われましたら、直ちに神様の前に謙って悔い改めて、そこから逃れていきたいと思います。

 

このようにイエス様が世の終わりに、洪水が来る、しかも聖霊ではなく悪霊の洪水が来る、ということを前もって語ってくださっていますので、このことを軽視せずに、多少なりとも真面目に考えていきたいと思います。けれども皆が皆、流されてしまうのか？と言うと、そうではありません。かつてのイスラエル人が神様から守りが与えられましたように、御心の歩みをしているのなら恐れる必要は無いと思います。しかし万が一にも、もしかしたらこの世的な歩みをしている可能性があるのでは？と思われるのでしたら、直ちに悔い改めていきたいと思います。残念ではありますが、そして私たちが好むと好まざると、世の終わりには「悪霊の洪水」が来る、ということが言われていますので、洪水に流されないようにきちんと備えをしていきたいと思います。レムナントキリスト教会のメッセージでも時々語られていることではありますが、洪水に流されないポイントは、「神の臨在」の中をひたすら歩み続けることですので・・・そうするなら流されずに聖霊の中を留まり続けることが出来ますので・・・そして最後まで全うするのでしたら永遠の命が約束されますので、もし、御心を感じましたら、ぜひ実践していきたいと思います。今回も大切なことを語ってくださった神様に栄光と誉れがありますように。