聖書箇所 創世記15:4
15:4 すると、主のことばが彼に臨み、こう仰せられた。「その者があなたの跡を継いではならない。ただ、あなた自身から生まれ出て来る者が、あなたの跡を継がなければならない。」
「罪の奴隷状態のままなら」というテーマで、みことばに沿ってみていきたいと思います。
「彼」とは、アブラム(後に『アブラハム』と呼ばれる)のことです。この神のことばはどんな状況で言われたことばなのか?と言うと、その前の節でアブラムが神さまに申し上げたことに対する主からの返答です。3節でアブラムは、「ご覧ください。あなたが子孫を私に下さらないので、私の家の奴隷が、私の跡取りになるでしょう」と言いました。この時点でアブラムと妻サライには子どもがありませんでした。しかしのちにサラの申し出によって、アブラムはエジプト人の女奴隷ハガルとの間にひとりの男の子『イシマエル』をもうけました。つまり「私の家の奴隷」とは、女奴隷ハガルとの間に生まれたイシマエルのことを言っているのです。そしてイシマエルは奴隷の女から生まれたので、「奴隷の子」と呼ばれました。この時アブラムはイシマエルがアブラムの跡取りになる、と思ったのです。しかしアブラムのことばに対して主は、「その者(女奴隷の息子:イシマエル)があなた(アブラム)の跡を継いではならない」とハッキリ言われました。それに続いて、「ただ、あなた(アブラム)自身から生まれ出てくる者が、あなたの跡を継がなければならない」と言われました。そして「あなた(アブラム)自身から生まれ出てくる者」とは、のちにアブラムとサラとの間に生まれた『イサク』のことです。また、イサクは、自由の女と呼ばれたサラから生まれたので、「自由の子」と呼ばれました。
さて、度々申し上げていることではありますが、聖書には多くのたとえが使われています。また、聖書は「わたし(イエス・キリスト)について証する書」とも言われているので、ここに登場する「アブラム」は、サラの夫として実在した人物であると同時に、イエス・キリストの型とも言えます。そしてアブラムから二つの型の息子が生まれました。これはイエス・キリストを信じる二種類のクリスチャンのことをあらわしています。人としてはイシマエル、イサクなのですが、片や「奴隷の息子」と呼ばれ、一方「自由の息子」でした。「奴隷」とか「自由」ということばに着目していただきたいのですが、「奴隷」は単なる主人の下に仕える奴隷のことだけを言われているわけではありません。また、「自由」とは、単に自由に暮らしている人のことのみを言っているのではありません。せっかくですので、それらのことばの意味合いを別の箇所から見てみることにします。
参照 ヨハネの福音書8:34,35
8:34 イエスは彼らに答えられた。「まことに、まことに、あなたがたに告げます。罪を行なっている者はみな、罪の奴隷です。
8:35 奴隷はいつまでも家にいるのではありません。しかし、息子はいつまでもいます。
34節に「罪を行なっている者はみな、罪の奴隷」とあります。つまり「奴隷」とは、単なる「召使い」とか「使用人」のことを言われているのではなく、「罪」を行っている人のことをも指します。たしかに女奴隷ハガルは、人間的にはアブラムとサラの召使いの立場であったかも知れません。しかしそれだけでなく、女奴隷ハガルは、「罪の奴隷」となっているクリスチャンの型をあらわすたとえではないかと思います。そして、息子イシマエルも罪の奴隷状態のクリスチャンではないかと思います。たしかにクリスチャンは、はじめは皆、アブラム(キリスト)から新生して、ノンクリスチャンからクリスチャンになります。しかし歩みをしていく中で、また、「罪の奴隷状態」に陥り続けていく中で、本来は天の父だったはずが、いつの間にか悪魔(サタン)を父とするクリスチャンになってしまうなんていうことがあるのだと思います。しかし、そういうクリスチャンに対して、イエスさまは「奴隷はいつまでも家にいるのではありません」とキッパリ言いました。「家」は「住まい」の他に、「教会」を指すたとえでもありますが、「息子はいつまでも(KJV:永遠に)います。」ということばから、「天の住まい」とか「天の御国」のことをも言われていると思います。ですから、「クリスチャンと名が付いていたとしても、天の御国や天の住まいを相続しませんよ!」ということを言っているのでは?と思います。つまり罪を犯し続けているクリスチャンは、たとえ毎週礼拝に参加していたとしても、聖書を通読したりお祈りをしたり、あるいは賜物を用いて神さまの働きを担ったとしても、「御国を相続することはできない」ということをズバリ言われていると思います。しかし一方、「息子はいつまでも(KJV:永遠に)います。」と言われていますように、「息子」つまり、アブラム自身(イエス・キリスト)から生まれるクリスチャン、分かりやすく言うと、「御霊」によって生涯を全うしたクリスチャンは、永遠にキリストと共にいる、すなわち天の御国を相続し、イエスさまと永遠に一緒にいるのです。そう、「自由」とは、「罪の奴隷」になっているクリスチャンとは対称的で、「罪」から「自由」になっているクリスチャンのことを言われているのです。「罪」から「自由」のゆえに、「罪」の力に支配されることなく、「御霊」によって「自由」な歩みをしているクリスチャンのことを言われているのです。「イサク」はそのことをあらわす型でもあるのです。
ですからここでの結論は、クリスチャンの歩みと言っても、一様ではなく、二つのパターンがある、ということです。ひとつはイサクのように、「罪」の支配から自由になっているクリスチャンの歩みです。これが本来あるべきクリスチャンの姿であり、天の御国を相続する型であります。もうひとつは、「罪」の奴隷状態でクリスチャン生涯を終えるパターンです。さいごのさいごまで、「罪」から自由になることなく、「罪」の支配から離脱できずに「罪」に縛られたままクリスチャンとしての歩みを終わらせるパターンです。残念ながら、このパターンの場合、「その者があなたの跡を継いではならない」と言われている通り、「天の御国」を相続することができなくなります。ゆえに、もし、何か「罪」にお心当たりがありましたら、「聖霊」の力によって、すぐに解放されていきたいと思います。
そもそもイエスさまがこの地上に来られた目的は、私たちを「罪」に定めるためではなく、「罪」を赦すため、つまりありとあらゆる「罪」の力から解放するためでしたよね?なので、イエスさまにこのことを求めていきたいと思います。もし、私たちに何らか「罪」があって、「この罪があると天国は危ない!でも、解放なんてとても無理!」なんて思うことがあったとしても、イエスさまにはどんな「罪」からも私たちを自由にし、解放することができますので、信じて祈って求めていきましょう!あわや不信仰になってイエスさまを頼らずに放置したまま生涯を終えてしまう時に、入れると思っていたはずの「天の御国」に入れなくなってしまう可能性がありますので、「罪」がありましたら直ちに対応しておきましょう。繰り返しますが、「罪の奴隷」のままですと、「天の御国」は相続できなくなる可能性がありますので、気を付けていきたいと思います。昨今、クリスチャンと名が付けば必ず天国に入れるとか、罪を犯し続けても大丈夫とか、煉獄で頑張ればいい、なんていうことが言われているようですが、聖書にはハッキリと「罪の奴隷」状態の結末について書かれていますので、恐れを持っていきたいと思います。このようなポイントについてもぜひ、見ておいていただけたらと思います。
証
大分前に、ある男性のクリスチャンから聞いた証があります。その当時、30歳くらいだったかと思いますが、その男性は女性の水着姿に弱い、ということをおっしゃっていました。でも、それでは良くない!ということで、そういう罪、いわば「目の欲」から解放されていくことができるようにお祈りしたそうです。その罪から解放されるまで、来る日も来る日も必死にお祈りしたそうです。すると・・・ある日を境に、そういうことを目にしても、なんとも思わなくなったそうです。イエスさまがそのことに関して完全に勝利を取ってくださった、ということをおっしゃっていました。その証を聞いて、心の中で「すばらしい!ハレルヤ!!」と思わず叫んでしまいました。
以前もチラッと話しましたが・・・私もそうですが、置かれている立場や状況や性別によって、それぞれにウィークポイントがあると思います。敵(サタン)は、そのあたりをついてきて、お一人一人のクリスチャンを何とかして「罪の奴隷状態」に引っ張っていこうとします。しかも敵の力は私たちの想像以上に強い、ということに大半のクリスチャンは気付いていると思います。しかし、そこであきらめてはいけないと思います。「罪」に支配されているなぁと思うときは、証の男性のようにひたすら「罪からの解放」を求めていくことにポイントがあると思います。クリスチャン生活はある意味、そういうことの繰り返しなのでは?と思います。そして生涯にわたってイエスさまを頼って、祈って求めて、ありとあらゆる「罪」に勝利していく延長線上に、「永遠のいのち」が約束されているのでは?と思います。地上の幕屋(肉体)をまとっている以上、「罪」はどうしてもまとわりついてきますが、しかし祈りによって、ひとつひとつの「罪」に勝利していかなければ!なんてことを本日の箇所から改めて学ばせていただくことができ、感謝でした。いつも大事なことを語ってくださる神さまに、栄光と誉れがありますように。
レムナントキリスト教会
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